腹筋を割るための鍛え方

効率的に腹筋を割るための鍛え方を紹介しています。

効率的な腹筋の鍛え方と休息

腹筋をボコボコに割るためには、しっかり鍛えて発達させる必要がありますが、腹筋運動をたくさんやればやる程、筋肉がつきやすいというわけではありません。逆に限界までやろうと思えば何百回もできてしまうような負荷では効率的に発達させることが難しくなってしまいます。

筋肉を大きく発達させるには8~12回が限界の負荷で行うのが良いとされており、腹筋もこの目安に近い方が効果的です。しかし、腹筋のように筋力が弱い場合は負荷はやや控えめにする方が効果的ともされています。なので、先ほどの目安よりは少し負荷を下げて、「10~15回くらいで限界になる負荷」に設定して鍛えるのが効率的でしょう。

まずはゆっくり筋肉に効かせて追い込むように行い、負荷が足りなくなったらダンベルのプレートなどを持って行ったり、負荷の強い種目に変えたり、負荷を調節できるマシンで鍛えたりしましょう。

そして、十分に鍛えたら休息をとってください。
腹筋を鍛えている時は、腹筋にダメージが蓄積しているので、このダメージを取り除かず、次のトレーニングを行ってしまえば、腹筋が発達するどころかどんどん弱っていきます。この事からも鍛えれば鍛えるほど筋肉がつくわけではないと言えます。

また、休息なくして、腹筋の発達はありえません。なぜなら、鍛えた時のダメージから回復する時に超回復という現象が起き、初めて腹筋が発達するのです。腹筋は他の部位の筋肉を鍛える多くの種目でもかなり使用されるので、私は腹筋を鍛えるのは週に1回、多くても2回にとどめています。
この超回復には休息だけでなく、適切な栄養も必要なので、前のページで効果的な食事メニューも覚えておいてください。

腹筋を鍛えてもお腹の脂肪は落ちない

腹筋を割るには、腹筋に覆いかぶさっている脂肪を落とさなくてなりません。
しかし、よく勘違いされてしまう方が非常に多いのですが、お腹を鍛えれば、お腹の脂肪が落ちるわけでも、腕を鍛えれば腕の脂肪が落ちるわけでもありません。
引き締まるという表現は曖昧なので、「この運動でここが引き締まります。」などの売り文句としては便利ですが、"鍛えてる部分"についていえば、部分的に脂肪が落ちて引き締まるというより、鍛えている部分に筋肉がつくことによってメリハリがつき引き締まって見えると解釈するのが妥当といえます。

なぜなら、部分痩せというものはほとんど存在しないからです。あったとしても見てわかるほどの変化はないでしょう。
体脂肪は"脂肪になるためのエネルギー"が不足した時(消費カロリーが摂取カロリーを上回ったり、これまで脂肪細胞に送られていた栄養分が、鍛えることによって筋肉に送られるようになったなど)に、全体的に少しずつ落ちていくものです。この全体に関しては「痩せていく」という意味で引き締まると表現しても間違いではありません。

お腹の脂肪は落ちにくく最後の方に落ちていくので、腹筋を鍛える程度の消費カロリーが増加したところで、効果的に脂肪を落として割るのは難しいでしょう。

体脂肪のコントロールに関しては、トレーニングによる消費カロリーの増加や成長ホルモンにより落ちていくことがありますが、基本的には食事管理で行うものなので、まだ読んでない方は前のページをご覧になってください。

通常の腹筋運動(シットアップ)の効果は低い

腸骨筋の解剖図

シットアップとは足を固定して上体を起こすと最も一般的な腹筋運動のことです。このシットアップはあまりおすすめできません。 なぜかというと、股関節の屈伸による、腹筋よりも大腰筋、腸骨筋などの腸腰筋を主に使用した運動だからです。

シットアップは腹筋も姿勢維持に使っているので、効いた感じはしますが、十分な負荷と伸縮が伴っていないため、実際には効果的な刺激を与えることが出来ません。よって、腹筋を発達させるということを目的とした場合、シットアップはあまり効果的な種目とは言えません。

股関節の屈伸動作は、スポーツでは重要な動作なので競技力向上にはシットアップが良いのですが、腹筋そのものには効果が弱く、しかも腹筋の下部にある筋肉などを、腹筋より発達させてしまって余計に腹筋が目立たなくなってしまったり、ウエストが太くなってしまったりしまう為、専ら筋肉のプロポーションを競うボディビルではシットアップは避けられる事が多いそうです。

クランチで腹筋を効率的に鍛えよう

クランチ

シットアップが駄目なら腹筋はどのようにして鍛え方が良いのでしょうか?

腹筋をターゲットとした種目であるクランチ(上の写真)が最も一般的な効果のある鍛え方です。クランチはシットアップのように股関節は動作せずに上体を丸め込むので、ほとんど腹筋のみに効かせることができます。
そのため、クランチはシットアップよりも体力的にはかなり楽に、しかも効果的に腹筋を鍛えられます。

このクランチを、最初に紹介した「効率的な鍛え方と休息」に従って行えば良いわけです。

クランチのバリエーションやその他にも腹筋を効果的に鍛える種目は色々あるので腹の筋トレメニュー全種目や、次の腹筋トレーニング器具のページでご覧になってください。

大筋群を鍛えよう

分厚く発達し、くっきり割れた腹筋"シックスパック"を手に入れるために、腹筋をしっかり鍛えることは確かに大事ですが、他の筋肉、特に大きな筋肉のトレーニングを軽視してはいけません。
大きな筋肉を高負荷で鍛えることによって、筋肉が発達するためのホルモンが多く分泌されからです。

腹筋のように小さくて筋力が弱い筋肉だけを鍛えても、なかなかホルモンが分泌されず効率的に腹筋を成長させることができないので、太もも、胸、背中など大きな筋肉の種目も十分な負荷でしっかり行いましょう。
これらの大筋群のトレーニングによって、腹筋種目以上に腹筋を鍛えられるともいえます。

そして、大筋群を鍛えることによって、大量に分泌される成長ホルモンは筋肉を発達させるだけでなく、脂肪を燃焼する効果もあり、特にお腹の脂肪の燃焼効果が高いそうです。
また、大きな筋肉を鍛える方が消費カロリーも断然多く、これらのことからもお腹の脂肪を落とすのは腹筋運動ではないといえます。

大筋群を鍛えて腹筋を発達させるためのダンベルベンチプレスとダンベルベントオーバーローイング

このページのまとめ

  • 「10~15回くらいで限界になる負荷」で腹筋を鍛え、十分な休息をとる。
  • 腹筋を鍛える時は、一般的な腹筋運動であるシットアップよりもクランチなどが良い。
  • 腹筋を発達させるためには、胸や背中、脚も鍛えることが重要。
  • 腹筋を鍛えてもお腹の脂肪はあまり落ちないので、脂肪を落とす時は食事でコントロールする。