7年使ってるフラットインクラインベンチ

ボディソリッド・フラットインクラインベンチのインクラインベンチモード

ある程度、筋トレを続けていると、シートの角度を調節できるベンチの必要性を感じてきます。

例えば、胸の下部は発達してきたけど上部はいまいちでバランスが悪い・・といった具合です。

そこで、角度が調節できるベンチを購入するにあたり、私が必要と考える条件を色々考えた結果、Bodysolid(ボディソリッド)フラット&インクラインベンチを選びました。

通常のベンチに比べると決して安くはありませんでしたが、もう7年以上も使っているので、その間、ジムに通い続ける費用に比べたら本当に良い買い物をしたな~と思っています。

このベンチの機能や使用例、頑丈さ、注意点、ベンチの角度を把握するコツ(?)など詳しく書いていますので、少しでもフラットインクランベンチの購入を検討している人の参考になれば嬉しいです。

幅広く細やかなシート角度調節が可能

インクラインと一口に言っても種目によって適度な角度は変わりますし、同じ種目でも刺激を変えるためにたまには角度を変えてみる必要もあります。

また、インクラインベンチプレスでも慣れてないうちは浅い角度で行わないと効かせにくいため、フラットの次がいきなり45度以上だったりするとちょっと困ります。

ボディソリッド・フラット&インクラインベンチの角度の変化

Bodysolidフラット&インクラインベンチは、バックシートがフラットからほぼ直角まで8段階、座面のシートは3段階まで調節できます。

背面シートにもたれて行うシーテッドショルダープレスがやりたかったので、バックシートが直角まで立てれるという条件は外せませんでした。

ボディソリッド フラット&インクラインベンチの使用例

このベンチを使ってどのような筋トレ種目が可能なのか、実践してみました。

まず、フラットでのダンベルベンチプレス。

フラットでのダンベルベンチプレス

シートの幅がベンチプレスに適度で、シートの厚みは7cmとかなり厚めの部類だと思いますが、柔らかすぎず硬すぎず、安定感があります。

ただ、フラット時は、座面シートと背面シートの間に少し隙間があり、座る時に少し前の方に座らないと、寝転がった時に、お尻の下に隙間が来るのでちょっと気になります。

フラットインクラインベンチの隙間

まあ、これはフラットインクラインベンチの共通した弱点といっても良いので仕方ないですね。寝転ぶ前に座る位置を意識すれば問題ないですし、慣れれば気にならなくなります。

今度はシートの角度を変えてインクラインのダンベルベンチプレスです。

フラットインクラインベンチのインクラインモードでダンベルベンチプレス

フラットだけでは、大胸筋の上部があまり発達せず、バランスが悪くなるので、インクラインプレスで上部を鍛えます。胸のバランスを考えるなら必須となる種目です。

背もたれだけでなく、座面のシートもしっかり角度をつけられるので、身体がずり落ちません。

基本的に、フラットインクラインベンチの購入を考えている人は、フラットとインクラインのベンチプレスを1台でやるという目的が念頭にくると思いますが、その点では、基本性能を重視したこのシンプルなベンチがベストな選択になりうると思います。

次は、シートをほぼ直角に立ててシーテッドダンベルショルダープレスをやってみました。立ってやるショルダープレスより安定して下半身を使った反動を防ぎます。

フラットインクラインベンチを直角にしてシーテッドダンベルショルダープレス

フラットインクラインベンチは、この角度まで立てられるものとそうでないものがあります。

完全には直角ではないですが、シーテッドダンベルショルダープレスでは、バンザイの体勢で少し背中が反るので、完全に直角だと逆にやりにくいんですよね。

このベンチは83度まで立てられますが、シーテッドショルダープレスに合わせた角度なのでしょう。前のめりにもならず、反り過ぎず程よい姿勢が維持できます。

少し胸の上部の筋肉が手伝ってしまうかもしれませんが、一つ手前の75度に落としてやるのもいい感じです。高重量でやる人はこれくらいの角度ですね。

本格的なジムでは、主に肩の種目で使用されるような直角のベンチもありますが、このタイプは肩よりバックシートの高さが低く、反りやすくなっています。

今度は、角度をまた浅くしてインクラインカールです。

フラットインクラインベンチでインクラインカール

インクラインカールは上腕二頭筋の長頭を鍛える種目です。上腕二頭筋がすごくストレッチされて効いてるって感じがします。また、角度によって効き方が変わるので、細かく調整できるのが嬉しいですね。

ちょっと変わった使い方ですが、インクラインの傾斜を利用するとプリーチャーカールっぽいこともできます。

フラットインクラインベンチを利用したダンベルプリーチャーカール

プリーチャーカールは上腕二頭筋の短頭を鍛えられます。さっきのインクラインカールと両方やると、長頭・短頭がバランスよく強化できます。

ベントオーバーローを上体を倒したフォームで行なうと、どうしても腰の疲労が気になるのですが、ベンチの端に頭を置くことで、腰の疲労を軽減するのでターゲットの広背筋や大円筋に集中しやすくなります。

フラットインクラインベンチに頭をつけてダンベルベンチオーバーローイング

上体を倒し気味のフォームでやってるつもりでも、なかなか自分ではどんな角度になっているのかわかりにくいですが、常にベンチに頭をつけておけば、上体が起きてしまうことも防げます。

また、パワーラックなどと組み合わせることで自宅の限られたスペースでもバーベルを使った複数の筋トレ種目が可能になります。

フラットインクラインベンチとパワーラックを組み合わせてバーベルベンチプレス、インクラインバーベルベンチプレス

バーベルではダンベル以上に高重量が扱えますが、耐荷重量がフラット時約240kg、インクライン時約180kgと頑丈にできているので、特にフラットにおいては体重、筋力のある人でも余裕です。

てきどに弾力性のあるシートのおかげで、高重量のベンチプレスでも、背中の不快感に気を取られることもありません。

ロックピンでスムーズな角度調節ができる!

このベンチを7年以上使い続けているのは、「頑丈で長持ちしているから」というのはもちろんですが、「使い勝手が良いから」というのもあります。

いくら角度を変えてたくさんの種目ができても、角度調節に手間がかかれば、そのうち面倒になり、フラットの状態でしか使わなくなります。

このベンチの角度調節は、ロックピンを引いて、スライドさせるだけで簡単にできるので、角度調節をわずらわしく思うことなく、快適なトレーニングが続けらています。

Bodysolid(ボディソリッド)・フラット&インクラインベンチの角度調節の説明 ①ロックピンでバックシート調節 ②貫通式ピンで座面シートを調節 ①は引いた手を離すと戻り、②は全部引き抜いて角度を変えてからまたさします。

インクライン時はロックピンが奥までささっているか確認しよう

引いたロックピンは角度を調節して穴のあるところで手を離すと、勝手に戻りますが、安定性のためか遊びが少ないようで、ピンの位置と穴の位置が少しずれていると引っかかってとまります。

しっかりピンが奥までささっていないと、使用中にシートの角度が変わってしまう恐れがあるので、奥までささっているか確認しましょう。ロックピンの側面は赤くなっているので、しっかり刺さっているか一目でわかります。

穴の数でベンチの角度を確認?

1番目の穴(26度)に刺してから、次の穴(38度)にする時は問題ないのですが、
私の「傾きを把握する能力(?)」が鈍いのか、フラットから1つ以上とばしていきなり3番目の穴(38度)、4番目の穴(47度)あたりに角度を変えようとすると、ロックピンが何番目の穴にささって何度になったのか、シートの傾きを見てもよくわからない時があります。

スライドするカバーが結構長くて穴を隠してしまうので、何番目の穴にささっているのか目で確認できないんですよね

そんな場合でも確実に判断する方法としては、「(隠れていない)残りの穴の数をかぞえる」というものがあります。
残りの穴が4つなら2番目の穴にささっている(26度)、残りの穴が3つなら2つ目の穴(38度)、2つなら3つ目の穴(47度)といった具合です。(右側に見える穴は無視してください)

ボディソリッド・フラットインクラインベンチの角度と残りの穴の数の比較

私は普段、インクラインベンチプレスの時は38度に設定していますが、次の47度と差が10度未満で、ぱっと見わからない時があります。なので「インクラインベンチプレスの時は残りの穴が三つになるまでシートを起こす」という感じでやっています。

ただ、やっぱり写真でこうやって並べて比べると、なぜ間違えるのか不思議なくらいはっきりと違いがわかりますね・・。

キャスター付きで移動がスムーズ!

角度が調節できて、かつ頑丈にできているベンチは、通常のフラットベンチに比べるとかなり重いです。しかも、フレームとシートが完全に固定されていないので持ち上げにくい。

筋トレをやる時にはベンチを出して、終わった時やベンチが邪魔な種目の時は隅に片付ける。自宅の限られたスペースでの筋トレには、こういうことが必要になると思います。

ベンチの持ち運びがしにくいせいで、時には筋トレをサボってしまったり、それが頻発して挫折、あるいは、本当はもう1種目やる予定だったのに、ベンチの移動が面倒で省略してしまうということも多いかもしれません。

ベンチの「機能・剛性」と「移動のしやすさ」というのは、どうしても反比例してしまうものですが、
このベンチの場合は↓の写真の通りキャスターがついており、片方を持ち上げれば楽に移動できます。角度調節機能と頑丈な極太フレームによる重さがありながらも、機動性を失っていません。

キャスターの写真。フレームの後部にキャスターがついており、前方のフレームを持ち上げると簡単に移動できます。

頑強な造りでハードなトレーニングも長く続けられる

使用例の時にも少し触れましたが、このフラットインクラインベンチはとにかく頑丈に出来ています。

商品説明によると、このベンチの耐荷重量はフラット時は約240kg、インクライン時は約180kgです。

自重とバーベルやダンベルを合わせてもベンチプレスで240kgなんて、全然届かないという人がほとんどだと思いますが、耐荷重量はそのまま長く使える耐久度とも考えられるし、長く続けていると使用重量もそれなりに伸びてきます。

このベンチの場合、 シートが一本の肉厚極太フレームにしっかり乗っかるので、フラットの時の耐荷重量が極めて大きいです。

ベンチプレスではフラットが一番高重量を扱いますし、時々MAXやそれに近い重量に挑戦したいときもあるので、フラットでの耐久度が高いと安心して長く使えますね。

デクラインまで角度が変えられるものや、フラット時にシートがメインのフレームに乗ってないタイプは、フラットの時の耐久性や安定性を出すのが難しくなるので、耐荷重量がこのベンチと同等のものは更に本体重量と値段が上がります。

デクラインもできるタイプのベンチ:デクラインも出来て便利だが、フラット時にフレームにシートが乗らない→デクライン時の耐荷重量が高い。 ストレートフレームのフラットインクラインベンチ:デクラインはできないが、フラット時にフレームにシートが乗る→フラット時の耐荷重量が高い

もちろんしっかりしたものなら良いですが、フレームが薄くて細いのに、デクラインもできるタイプの形状だとちょっと高重量を使うときや耐久力に不安がありますね。

まとめや組み立て発送について

このベンチの特徴をまとめると、

  • 幅広い角度でたくさんの種目が可能
  • シンプルで基本性能を重視したつくり
  • 耐久性の高さ(特にフラット時)
  • ロックピンで角度調節がかんたん
  • キャスター付きで移動が楽

などがあげられます。

最初に購入したフラットインクラインベンチがこれでずっと使っているので、他のフラットインクラインとの使用感の比較はできません。ですが、買う前に厳選しただけあって、かなり満足度は高く、これにして良かったと今でも思います。

実際7年経ってもまだ同一製品が販売され続けてるわけですから、ロングセラーといってよいですよね。マイナーチェンジしてる部分はあるのかもしれませんが、商品説明や仕様は変わってないみたいですね。

ただ、私が購入したときは自分で組み立てる必要があったんですが、今は組み立ててから発送のようですね。(販売店にもよるのかな?)

当然ですが、フラットインクランベンチの組み立ては普通のフラットベンチに比べれば大変でした。

ちなみに組み立てる前はこんな感じでした。

ボディソリッド・フラットインクラインベンチの組み立て前

↓シートが動かせるのでやはりボルト類が多い。米国メーカー製なので組み立て説明書は英語のみだったと思います。もしかしたら日本語版も同封されていたかもしれませんが、保管しておいた書類を今確認してみても英語版しか見当たりません。手間はかかりましたが、難しくて複雑というわけではないので英語でも問題なかったと思います。

ボディソリッド・フラットインクラインベンチのボルト類と説明書

それでも、組み立て済みで届くならかなり楽になる上に、組み立て失敗のリスクもないですし、部品が足りなかったり、組んでから気づくようなパーツ不良の固体が届くこともなさそうなんで良いですね。

このベンチは問題なかったですが、別のお店で別の筋トレ器具を買った時に「組み立ててから不良に気付く→不良の具合と交換のお願いの連絡をお店にする→OKの返信をもらったので分解→梱包しなおして返品→ようやく届いたら交換品をまた組み立ててやっと使える・・」という事を一度経験したことがある身としては、組み立て済みはかなり魅力的に感じます。

小さなパーツ一つ交換とか欠品だったら大して苦労しなかったんですけどね。「本当は自分の組み方が失敗してるんじゃ・・?」と、かなり悩んで、最初から組み直したり、色々なチェックもしたので物凄く疲れましたし、仕事に換算したらその器具をもう一つ二つ買えるくらいの働きはしたと思うので、物凄く損した気分になりました。丁寧な対応で交換してくれたのがせめてもの救いです。

ちょっと脱線して愚痴になってしまいましたが、、、組み立て式で届くなら、そういう心配はほとんどしなくて良さそうだということと、こういった息の長いトレーニング器具は性能に関しても信頼度が高く、長く生産されている分、不良品も出にくくなったり、チェック項目が充実して間違って不良品のまま発送されることも少なくなったりしていると思いますので、迷った時にはこれを選んでおくと失敗がないんじゃないかなと思います。

もっと安くて良いフラットインクラインベンチが欲しい?

今回紹介したベンチは、私が買ったトレーニング器具の中でもたぶん1番高くつくくらいのお値段でした。なので、いきなりこれを買うのは躊躇する方も多いと思います。

まだ何年も筋トレを続けるほどの覚悟はないから、あまりお金を使いたくない・・けど、それなりのフラットインクランベンチが欲しいという方には、ティズスタイルのフラットインクラインベンチあたりが良いと思います。

こちらは、キャスターがないですが、ボディソリッドのフラットインクランベンチが約26kgなのに対し、14.5kgとかなり軽くなっているので十分移動させやすいと思います。

フラット時にはしっかりメインのストレートフレームにバックシートが乗るタイプなので、軽さや値段の割りにはフラットの時の耐荷重量や耐久力も決して弱くはないでしょう。

メーカー公称では耐荷重量150kgとだけあるので、インクライン時でこの重量ならフラットではかなりいけるのではないでしょうか?

断言はできませんし、あくまでメーカーが保証する重量は150kgですが。(体重と筋力のある人がラックやセーフティと組み合わせてバーベルを使ってMAXもしょっちゅう試したいなんて場合は、さすがに私が使っている方のベンチをおすすめしておきます。)

角度については、バックシートをほぼ直角にまでは出来ませんが、70度とかなり高いところまで上げられます。しかも角度調整が11段階もあり、特に浅い角度での細やかさでは、私のフラット&インクラインベンチに勝っています。

7年前はここまでコスパの良いフラットインクラインはなかった気がしますし、もしこれがあったら最初はこっちを選んでたかもしれない・・・この値段なら、いつか物凄く筋力が上がったら買い換えるということを前提に買っても良いですしね。比較的コンパクトで軽いので邪魔にもならないと思います。