プロテインの種類
プロテインはタンパク質を主成分にしたサプリメントですが、どの食品のタンパク質を原料にしているかによってプロテインの特徴が変わってきます。
また、さまざまな種類のプロテインを混合したものもあったり、同じ原料でも処理によって若干変わってきたりもします。
それらによって、プロテインは種類分けされます。
皆さんが愛用する可能性の高い、代表的なプロテインの種類や特徴を解説します。
ホエイプロテイン
ホエイプロテインはプロテインの王様とも呼ばれるほど今では主流のプロテインです。
ホエイプロテインの主な特徴は、BCAAを多く含んでいることと、吸収が速いということです。トレーニング後のゴールデンタイムや起床後、就寝前におすすめです。
また、他の種類に比べ粉っぽさが少なく、味もおいしくなりやすいのでとても飲みやすいプロテインです。
ホエイプロテインの原料は牛乳です。牛乳に含まれるタンパク質のうち、約20%がこのホエイプロテイン(タンパク)で、乳清ともいいます。
このホエイプロテインの中でも処理による特徴の違いがあり、種類分けされています。
WPC(ホエイプロテインコンセントレート)
WPCはホエイプロテインの中では最も一般的で安価なタイプです。
WPCには、免疫力を高める、抗炎症作用(肌荒れ防止など)、鎮痛作用、鎮静作用(疲労、ストレス防止など)、抗酸化作用(ガン、アルツハイマー予防)などの働きもあります。
WPI(ホエイプロテインアイソレート)
WPIはWPCよりも不純物が少なくてタンパク質含有率が高く、炭水化物が少なくなっています。
しかし、WPIだとしても製品化される際に他の栄養素などを添加されるので、実際のタンパク質含有率は製品により違います。製品ごとの成分表でタンパク質の含有率をチェックしてください。
WPIは、WPCには含まれるラクトース(乳糖)があまり含まれないので、牛乳を飲んでお腹を壊しやすい人、いわゆる乳糖不耐症やその予備軍の人でもお腹を壊しにくいです。
ただし、処理の際にWPCにはあった免疫力をサポートする状態のタンパク質もろ過されてしまっています。
WPCよりも吸収が速くトレーニング直後に向いているという特徴もあります。
WPH(加水分解ホエイペプチド)
WPHはホエイプロテインの中ではもっとも分解されたタイプでペプチド状態になっています。
WPHはタンパク質含有率、価格も高く、吸収の速さ、溶けやすさも1番です。高級ホエイプロテインといったところでしょう。
カゼインプロテイン
カゼインプロテインはホエイプロテインと同じく牛乳が原料のプロテインで、乳タンパクの80%がカゼインプロテインです。
浸透膜技術の発達によりホエイが安価になり一般化されるまではカゼインプロテインは主流のプロテインの1つでした。現在ではカゼインタンパクのみのプロテインはあまり販売されていません。
牛乳を温めた時に上にできる膜がカゼインです。
ホエイプロテインに比べると消化吸収が緩やかなので、トレーニング直後以外でも、余剰になり脂肪になってしまうことが少なく、継続的に少しずつ筋肉に栄養を送るので、筋発達の効果が高いです。
この特徴からいって、間食や就寝前に摂るのに適しているでしょう。(食物繊維などでホエイの吸収も緩やかにすることができます。)
ただし、就寝直後にも成長ホルモンが多く分泌されるので、ホエイプロテインとカゼインプロテインの両方飲むのがベストかもしれません。
また、カゼインプロテインには、カルシウムの吸収を良くする働き、整腸作用、消化作用の促進、高血圧を防ぐ、鉄分の吸収を良くする、精神状態を安定させる等の効果もあります。
ソイプロテイン(大豆プロテイン)
ソイ=大豆です。名前のとおり大豆が原料のプロテインで、これまでの牛乳由来のものより安価な製品が多いです。
ソイプロテインには、筋肉増加を抑えて皮下脂肪を蓄えてしまうエストロゲン(女性ホルモン)に近い働きを持っている「イソフラボン」が含まれています。
パワーをつけたい、体型を整えたい、代謝を上げたいなど筋肉をつけることにより得られる効果を狙っている人は、ソイプロテインをメインのプロテインとする人は少ないかもしれません。
しかし、タンパク質の吸収に欠かせない肝臓の働き(タンパク質は消化器官でアミノ酸に分解され、肝臓に蓄えられてから送られます)を高める作用、甲状腺機能の向上による脂肪分解作用など、逆に筋肉をつけるのに効果的な作用もあるので、実際のところ筋肉をつける事を目的としても、ソイプロテインが特に劣っているとはいえないと思います。
また、植物性タンパクであるソイプロテインをある程度取り入れることでバランスも整いますし、筋肉をつけて体型を整えつつ、女性が女性らしいセクシーな体型を手に入れるためにも非常に役立つと思います。
ただし、イソフラボンは、大量摂取し過ぎると女性ホルモンの補助をするどころか、女性ホルモン自体の分泌が悪くなってしまう可能性が高いので、大量摂取には気をつけましょう。
消化吸収はホエイプロテインに比べて遅いので、カゼインと同じく間食や、就寝前に摂ると良いでしょう。
混合プロテイン
混合プロテインには、それぞれのプロテインの補助的な効果を満遍なく得られるという特徴もありますが、主な狙いはタイムリリース方式といって、"プロテインの種類による吸収速度の違い"を利用し、時間差でタンパク質を吸収し、摂取直後から長時間にわたり吸収し続けるという所にあります。
常に体にタンパク質を少しずつ吸収することで、無駄な脂肪をつけずに筋肉を維持、または成長させることが期待できます。
なかでも、ホエイプロテインとカゼインプロテインを50%ずつ混ぜたものが一般的です。
元々牛乳から作ったものなので、ホエイとカゼインの両方が牛乳に含まれますが、牛乳に含まれる比率は2:8と大きく異なります。また、牛乳は炭水化物、脂肪が多くプロテインとは全く栄養成分が違うので牛乳を飲めば済むという結論にはなりません。50%ずつなのは摂取直後の吸収量を増やすためです。
混合プロテインは他にも、エッグプロテインやライスプロテインなどかなり多くの種類のプロテインを混ぜたものも市販されていますが、比較的高価です。
また、総合栄養食であるMRP(代用食品)に含まれるプロテインはタイムリリース方式を狙ったものが多いです。
プロテイン+補助栄養素
今では補助の栄養素を添加していないプロテインの方が珍しいので、ほとんどはこれに該当すると思います。
タンパク質の吸収、筋肉の合成の促進をしたり、体調を整えたり、美容効果を高めたり、脂肪の減少を狙ったりと様々な目的で、ビタミンやミネラル、アミノ酸などを添加しています。
主要な栄養素であるタンパク質を補うだけでなく、タンパク質の補助をする栄養素も添加することで、より肉体改造を心強くサポートしてくれて、健康、美容にも効果があり、しかも飲みやすいのが現代のプロテインサプリメントです。
このページのまとめ
- プロテインは原料によって特徴が異なる。
- ホエイプロテインは吸収が速く、トレーニング直後などに向いている。
- カゼイン、ソイ(大豆)プロテインは、吸収が緩やかで間食などに向いている。
- オールマイティな効果を得るための混合プロテインもある。