筋トレと食事メニュー
筋トレで筋肉をつけて体脂肪を落とすための食事の取り方や食品、不足しがちな栄養素について説明しています。
筋トレには多くのタンパク質が必要
筋トレを行っている人のタンパク質の必要量の目安は、一般的に体重×2gとされています。60kgの人なら120gです。
なぜ、これだけのタンパク質が必要なのかというと、筋肉をはじめ、人体の多くはタンパク質で出来ているからです。
一般的にはカルシウムというイメージが強い骨も、タンパク質も主原料の1つになっています。タンパク質は人体の中で水分の次に多い成分なのです。それらを維持し、筋トレで消費した分を補い、その上で筋肉を増やすため、多くのタンパク質が必要なのです。
低脂肪のタンパク質食品を選ぼう
タンパク質食品には脂肪も多く含まれる食品が多いので注意が必要です。脂肪はカロリーが多く、基本的には余れば体脂肪となってしまうのだけなので避ける必要があります。脂肪が少なく、安価なタンパク質食品は鶏肉(皮は剥ぐ)、卵白などです。これらを中心に、様々なタンパク質食品を摂ってバランスを整えましょう。また、通常の食事で不足してしまう場合はプロテインなどで補います。
アミノ酸スコアにも注目しよう
タンパク質を分解するとアミノ酸になりますが、タンパク質を摂る時はアミノ酸スコアにも注意してください。
アミノ酸スコアとは、体内で合成できない必須アミノ酸がどれだけの割合で含まれているかというものです。筋肉をつけるにはアミノ酸スコア100のものが好ましいといえます。先ほど紹介した、鶏肉、卵白などはアミノ酸スコア100の良質なタンパク質食品です。
詳しいプロテインの情報についてはこちらで→プロテイン講座
筋肉を増強したいときは炭水化物もしっかりとろう
筋肉の発達には炭水化物も必要です。筋トレでは主に筋肉に蓄えられた糖分(グリコーゲン)をエネルギー源にしますが、これが十分でない場合、筋肉のタンパク質を分解してエネルギー源にしてしまいます。
また、筋肉を増やすには、体を維持するための栄養に加えて、筋肉を増やすための栄養が必要なので、カロリーを多目にとる必要があります。それなのに、主食である炭水化物が不足しては筋トレの効果が無駄になってしまいます。
正しく筋トレをした分、筋肉に栄養が届くようになるので、最初のうちは痩せながら筋肉が増えることもあります。
しかし、基本的には体重が増加傾向にある時に筋肉が増えやすく、体重が減少傾向にある時は筋肉も減少傾向にあります。
つまり、筋肉を積極的につける時は多少脂肪も増えてしまい、積極的に脂肪を減らす時は多少筋肉も減ってしまうということです。
増量期と減量期で食事メニューを変えよう
なので、筋トレを行う人は筋肉を増やしたい時は増量期メニュー、脂肪を減らしたい時は減量期メニューとわけて食事メニューを調節するのがおすすめです。
増量期の食事メニューは炭水化物をしっかりとって全体的なカロリーも多めに、減量期の食事メニューは炭水化物は控えめでタンパク質は減量期より少し多めに、全体的なカロリーは少なめにします。
期間 | 目的 | 食事メニュー |
---|---|---|
増量期 | 筋肉を増やす |
|
減量期 | 脂肪を減らす |
|
低GIの炭水化物食品で無駄な脂肪のない体を作る
人体は炭水化物を取り込み、血糖値が上がるとインスリンというホルモンを多く分泌します。成長ホルモンはこれまで述べたように、筋肉を増加し、脂肪を減少させるホルモンですが、インスリンは分泌し過ぎれば脂肪を増やし、適度であれば筋肉を増やすホルモンです。もう少し厳密に言えば、インスリンは「食事から体内に取り込んで血中を流れる栄養」を脂肪や筋肉に運び、血液の成分を調整するためのホルモンです。
無駄な体脂肪を増やさず、インスリンの分泌を適度に保つためには、炭水化物を"少しずつ"継続的に吸収することが必要となります。
このためには、
- 食事を少量に分割して小まめにとる
- 低GIの炭水化物食品をとる
- 食物繊維をとる
- タンパク質をとる
などが効果的です。
低GI食品は糖質がゆっくり吸収され、血糖値を安定させる効果があります。つまりインスリン分泌を適度に保ち、常に脂肪ではなく筋肉に栄養を送り続ける事ができます。増量期でも減量期でもなるべく小まめに少しずつ食事をとり、炭水化物は低GIのものを選びましょう。
また、炭水化物とタンパク質や食物繊維を一緒にとることによっても糖質の吸収はゆっくりになるので、バランスよく食べることも、体脂肪の少ない体を作る上でとても有効です。
筋トレの直後は素早く栄養を吸収できる食品を
普段はこれまで説明したように、炭水化物は低GI食品を摂りますが、筋トレ直後のゴールデンタイムは筋肉に栄養がいきやすくなっているため、インスリンを多く分泌するように、あえて吸収が速い高GIの炭水化物食品をタンパク質と一緒に補給してください。(ホエイプロテイン+ブドウ糖 など)筋トレ直後に多くの栄養を補給することは筋肉の発達や回復にとても有効です。
ビタミンやミネラルなどの微量栄養素の必要性
タンパク質、脂質、炭水化物をまとめて三大栄養素と呼びます。この三大栄養素のコントロールなくして筋トレの効果はえられませんが、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素の摂取もおろそかになってはいけません。
ビタミンやミネラルは三大栄養素の働きのサポート役で、無駄なく栄養を補給し、筋肉を発達させ、脂肪を燃焼させるには欠かせません。
また、これらの微量栄養素はコンディションに大きく影響するため、三大栄養素をしっかり摂っているのにオーバーワーク気味になったり、やる気が起きなかったりするときは、ビタミンやミネラルが不足していることが多いです。
不足なく栄養を摂るために、フルーツや野菜もしっかり食べましょう。フルーツや野菜にはビタミンだけでなく、食物繊維が含まれており、血糖値の急上昇を抑えるので、低GIの炭水化物を選んだ場合と同様の効果もあります。
また、微量栄養素はジャンクフードなどの加工食品にはあまり含まれていなので、メインの食事はなるべく素材から調理して食べる方が良いです。
サプリメントを活用しよう
サプリメントとは栄養補助食品のことです。
栄養バランスを整えるためには通常の食事をきちんと管理するのはもちろんですが、サプリメントを上手に活用することで食事管理がずっと簡単で確実になります。
筋肉をつけるためには、筋肉の維持+αの栄養が必要ですが、筋トレやその回復にもかなりの栄養が消耗されて不足してしまう事が多いので、その分をサプリメントで補うのが理想です。
プロテインでタンパク質を補う
タンパク質は体重×2g摂るのが理想と述べましたが、実際この通りに摂るのは容易ではありません。プロテインを活用することで補えます。プロテインに関してはプロテイン講座で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
食事メニューのワンパターン化によるビタミンやミネラルの不足
常に自分に合った食事量と栄養バランスの整ったメニューに調整しようと思うと、毎回大幅に内容を変えるのは大変なため、どうしてもメニューがワンパターン化してしまいます。
そうなると、どうしても特定のビタミンやミネラルなどが不足がちになります。これを防ぐためにはマルチビタミン、マルチミネラルなどを摂って不足分を補いましょう。
必須脂肪酸は不足がち
無駄な脂肪をつけない為には、脂肪の摂取をなるべく控える必要があると説明しましたが、体内で合成できない必須脂肪酸はしっかり摂る必要があります。
現代の食事で不足がちなオメガ3系の必須脂肪酸は青魚やクルミなどで摂取することができますが、これらがなかなか食べられない場合は、不足分をサプリメントで補うことをお勧めします。
このページのまとめ
- 筋トレを行っている人のタンパク質摂取目安は体重×2g
- タンパク質摂取は、低脂肪で、アミノ酸スコアの高いタンパク質食品を中心にする。
- 増量期と減量期にわけて食事メニューを目的に合わせて調節する。
- インスリンの分泌を安定させるために、食事の頻度を増やし、低GIの炭水化物食品をとる。
- 栄養の吸収、働きの補助をし、体調を整えるビタミンやミネラルなども摂取する。
- 筋トレで不足がちな栄養素はサプリメントで補う。