ピリオダイゼーション

ピリオダイゼーションを日本語に訳すと、期分けという意味になります。

ピリオダイゼーションでは、分割した期間ごとに違う内容の筋トレメニューををこなします。

なぜピリオダイゼーションが筋肉の発達に効果的なのか?

筋トレの5大原則の一つに斬新性の原則というものがあります。

これは、筋力の向上に合わせて負荷を上げていかなければ筋肉の発達が停滞してしまう原則です。

しかし、ただ負荷を上げていても、いずれ筋力の向上が停滞し、やがて筋肉の発達も停滞しています。

この停滞は、筋肉が同じ刺激に慣れてしまうことによって起こります。

これを防ぐために、あらかじめ期間ごとに刺激が変わるように、
“筋トレメニューの内容を変化させた計画を組む”というテクニックをピリオダイゼーションといいます。

停滞する前に刺激を変える!

期間の分け方

ピリオダイゼーションは、筋トレによる刺激を変化させるという面ではサイクルトレーニングと似ています。

しかし、サイクルトレーニングは1種目の使用重量やセット数などを少しずつ変化させていくのに対し、ピリオダイゼーションは期間ごとしっかり区切って目的を変え、それに合わせて筋トレメニューの組み方を変化させるという違いがあります。

筋肉を発達させること(筋肥大)を目的としたプログラム例

  1. 筋持久力アップ期間
  2. 筋肥大期間1
  3. 筋力アップ期間
  4. 筋肥大期間2
  5. 回復期間

1.筋持久力アップ期間

軽めの負荷(12~15回が限界の重さ)で筋持久力を上げ、基礎体力を作ります。この時にフォームも整えます。

2.筋肥大期間1

基礎体力作りの第二段階です。
中程度の負荷(8~12回が限界の重さ)で筋肉を大きくします。

3.筋力アップ期間

高負荷、少ない回数で行い、筋力を上げます。

4.筋肥大期間2

向上した筋力を利用して、また中程度の負荷で筋肥大を目的としたトレーニングを行います。

セット数を増やし、ボリュームのある筋トレメニューを組みましょう。
筋肉をしっかり追い込むことも意識します。

筋力アップ期間前の8RM(8回が限界の負荷)よりも、この時の8RMの方が重量が上がっているため、より高強度な筋トレが行えます。

5.回復期間

疲労や、関節などのダメージを抜くために、完全休養をとります。
その後、軽めに筋トレします。

十分な休養をとってオーバーワークを防ごう

各期間の長さについて

筋肉が刺激に適応してしまうのに約3週間とされているので、基本的には各3週間ずつが理想だと思います。

しかし、「4.筋肥大期間2」はオーバーワークになる可能性もあるので2週間にしておいても良いでしょう。

「5.回復期間」では1週間の完全休養の後に、低強度、低ボリュームの筋トレを2週間行います。

競技向けとしても有効なピリオダイゼーション

さきほど紹介した例は、筋肉を発達させるためのプログラムですが、ピリオダイゼーションは他にも、様々な競技の補助トレーニングに導入されています。

サッカー

競技にピリオダイゼーションを取り入れる場合、試合に合わせた期間の長さ調整が必要です。
練習の開始から、試合までの日にちによって、それぞれの期間の長さを調整してください。

また、試合期間など競技向けの期間を入れることも必要になります。

競技向けピリオダイゼーション例

  1. 基礎体力向上期間
  2. 瞬発力向上期間
  3. 試合期間
  4. 回復期間

1.基礎体力向上期間

さきに紹介した「筋肉を発達させることを目的としたプログラム例」の1~2がこれに当たります。

筋持久力と筋量を上げ、フィジカル面を強化します。

2.瞬発力向上期間

高負荷で爆発的に上げる筋力トレーニングや、より実践的な動作のトレーニングで瞬発力を上げます。

トレーニングのボリュームは落とします。

3.試合期間

競技の実践練習に時間を割きます。

試合前から試合までの期間は出来るだけ疲労をためないようにしつつも、これまでのトレーニングの成果を維持します。

4.回復期間

完全休養の後に、軽い練習や筋トレを行います。

補足

競技によっては、「3.瞬発力向上期間」のあとに、スタミナアップ期間を行ったりもします。

回復期間については、瞬発力重視では完全休養は2週間程度とってもOKですが、
2週間くらいで酸素運搬機能が劣化してかなり体力が落ちるそうなので、持久力系は1週間にとどめて、軽い運動を再開しましょう。

このページのまとめ

  • ピリオダイゼーションは期間ごとに刺激を変化させて停滞を防ぐ。
  • ピリオダイゼーションは競技向けのトレーニングにも導入されている。
  • 競技向けにピリオダイゼーションを使う場合は、試合までの日にちを考慮して組む。