脳を活性化し、心を癒す食事
前回の記事「甘いものが脳に効く、心を癒すは嘘?」では、
“甘いものはあまり脳や心には良い働きをしない可能性が高い”
という話をしました。
今回は、どんな食事が脳に効いて、心を癒してくれるのかについてお話したいと思います。
炭水化物(糖質)の種類を選び、血糖値の安定させる
脳を活性化し、維持するためには、血糖値を安定させることが必要です。
血糖値の安定は、脳内物質の分泌やホルモンバランスの安定にも影響します。なので、血糖値が安定すれば、心も安定し、癒されるといえます。
ブドウ糖が脳のエネルギー源だからといって、甘いもので摂取する必要はありません。
米や小麦粉などの通常の炭水化物食品も消化吸収すればブドウ糖になります。
甘いお菓子などは砂糖が大量に入っており、血糖値が不安定になるので、脳は一瞬活性化するかもしれませんが、すぐにエネルギー不足に陥り、心も不安定な状態になりがちです。
炭水化物を摂取するときは、そば、さつまいもなどが、低GI食品(血糖値が上がりにくい食品)なのでおすすめです。
砂糖のほかにも、白米、普通の白い食パンなどは高GI食品なので注意してください。
炭水化物といっしょに摂取したい栄養素
脳を活性化した状態で、その機能と心の安定を維持するために、炭水化物といっしょに摂取したい栄養素を紹介します。
食物繊維
食物繊維は消化吸収の速さを緩和するので、野菜などの食物繊維を摂取できるものを食事に取り入れるのが好ましいです。
仕事中や短い休憩などで野菜を食べるのが難しいときはイージーファイバー などの食物繊維のサプリメントを利用するのも手です。
タンパク質
脳のエネルギーはブドウ糖ですが、感情(心)を作っている神経伝達物質はタンパク質を原料としています。
タンパク質を摂取するとグルカゴンというホルモンが分泌され、血糖値を下げるインスリンの働きを抑制します。
甘いものや炭水化物に偏った食事では、摂取してからブドウ糖として消化吸収されるまでが速くなるため、
血糖値が急上昇 → インスリンがたくさん分泌される → 血糖値急降下となってしまいます。
しかし、タンパク質を同時に摂取することで、消化吸収速度の緩和とグルカゴンの働きにより、血糖値を安定させます。
脳を活性化し、心を癒す食事は、食物繊維、タンパク質、炭水化物がそれぞれ適量ずつ摂取できる栄養バランスのとれた食事です。
甘いものは食べちゃだめ?
甘いものは、心を癒すために食べるのではなく、単に食べたいから食べる。そういう認識でいいと思います。
我慢のし過ぎはよくありません。
しかし、甘いものの癒し効果を信じて、甘いものをたくさん食べることを強引に正当化してしまうと、抑制がきかなくなってしまうこともあります。
「落ち込んでいるときは甘いもの」というフレーズをよく耳にしますが、
なにか嫌なことがあって落ち込む度に、
それほど食べたいわけでもない時ですら甘いものを食べることが習慣になってしまっている人もいるのではないでしょうか?
場合によっては、更に心を不安定にする原因になってしまいます。
前回、そして今回の記事も、決して甘いものを食べることを否定するものではありません。私もどうしても食べたいときは甘いものも食べます。
しかし、必ずしも甘いものが心を癒す訳ではなくむしろ逆効果であるということは常に頭に置いて欲しいと思います。
程ほどにすれば、依存してしまうこともないので我慢もそれほど辛くはありません。
特に肉体改造を実践している方は、基本的には甘いものを控えつつ、どうしても食べたい時には程ほどに食べるというのが良いでしょう。
逆に、多少甘いものを食べても肥満や不健康になりにくいように代謝の良い身体に肉体改造するというのも良いかもしれませんね。