チンニング(懸垂)
チンニング(懸垂)は、バーにぶら下がり、身体を引き上げて広背筋など上背部を鍛える筋トレです。自重トレーニングの中では負荷が強く、特に背中の筋肉に広がりをつけるのに効果的とされています。
チンニングで鍛えられる筋肉
- 広背筋
- 大円筋
- 三角筋後部
- 上腕筋
チンニングのやり方
- 肩幅より少し広いくらいの手幅でバーを順手で握り、ぶら下がる。
- 背中を丸めないようにしながら、バーに鎖骨をつけるつもりで肘を曲げて体を引き上げる。
- ゆっくり肘を伸ばし体を降ろす。
※2~3繰り返し。
チンニングのポイント
- 背中を丸めない。
- 広背筋で引くことを意識する。
- 降ろす時に肩甲骨を離し、引き上げる時に寄せる。
- 降ろす時は広背筋をストレッチさせるが脱力はしない。
- 手幅を狭くすると腕力の参加率が上がり、高負荷が扱え、広くすると広背筋に集中する。
チンニング(懸垂)は背中に広がりをつける
チンニングは、広背筋など上背部全体を強く刺激できます。
また、この作用により、背中に広がりをつけ、逆三角形の背中を作り上げる効果的が高いとされています。
チンニングが可能な環境であれば、背中を鍛える時はなるべくチンニングを取り入れましょう。
チンニングは懸垂?
チンニングという名前は聞き慣れないかもしれませんが、特に懸垂とチンニングで定義の違いが決まっている訳ではないので、懸垂=チンニングと思っても問題ありません。
ただし、スポーツテストでやるような、顎をバーまで上げた回数をカウントし、その数を多くこなすことを目的とした懸垂の動作と、筋肉を発達させることを目的とした懸垂とではフォームや意識の仕方がかなり変わります。
手幅を狭くし、腕の筋力を多く使った方が回数をこなしやすいので、スポーツテスト向けの懸垂では、背中は鍛えられにくいです。
ちなみに英語では順手=プルアップ(pullup)、チンアップ(Chinup)というのが一般的だそうです。
懸垂が一回もできない人は?
懸垂(チンニング)が一回もできない人はまず、ワンハンドローイングなどで、広背筋を鍛えましょう。
懸垂ともある程度刺激が似ているので、ワンハンドローイングの使用重量(10回が限界くらいの負荷)が伸びてきたら、懸垂も少しずつできるようになってくると思います。
できる環境があれば、斜め懸垂から始めるのも良いでしょう。
背中の筋肉を発達させるためには胸などを鍛えることも大事
成長ホルモンを多く分泌させることが筋肉の発達には効果的です。背中の筋肉が発達するのは、背中を鍛えたときだけでなく、他の部位の筋肉を鍛えた時に分泌されるホルモンなどにも影響されます。
なので、広背筋の拮抗筋である大胸筋や下半身などの大きな筋肉を鍛えることが、成長ホルモンの分泌を促進させ、広背筋の強化を速めます。
遠回りなようで、懸垂ができるようになるまでの近道となるでしょう。
懸垂に慣れよう!
懸垂が一回もできない人は、少しでも慣れるために、懸垂器具にぶら下がってみたり、
ベンチなどを踏み台にして体を持ち上げてから足を踏み台から離し、ネガティブ(降ろす時の動作)だけでも実践してみるという方法もあります。
一回もできない人にとっては非常に強い負荷となるので、無理のないように慎重にやってください。
リバースグリップチンニング(逆手懸垂)で刺激を変えよう!
他の背中の筋力トレーニングにも共通することですが、グリップを逆手に変えることで、筋肉の収縮やストレッチを高めたり刺激を変えることができます。
また、リバースグリップチンニングの場合、通常よりも腕力が足され、高重量が扱えるようになります。手幅によっても刺激が変わるので、色々なパターンを試してみましょう。
背中の筋肉は複雑に入り組んでいるので、多角的に鍛えることが重要です。
背中を重視して鍛えるときは背中に効く範囲で動作する
一定以上身体を引き上げると、背筋群の参加率が下がって三角筋後部や上腕の参加率が上がり、扱える負荷が下がってしまいます。
これにより、背中への刺激が減ってしまうので、広背筋をターゲットとする場合は、無理に引き切ることを重視する必要はありません。
自重で10回以上できる場合は、ディッピングベルトなどで負荷を足しましょう。