カロリーコントロール

カロリーコントロールはダイエットの手順で1番重要です。1kgで約7200kcalもある体脂肪をキロ単位で落とそうと思ったらカロリーコントロールなくして落とすことは無理でしょう。

前のページでも述べましたが、例えカロリーを抑えても、極端なカロリーバランスでは逆に体脂肪は落ちないので、ある程度の調整がいるのです。

カロリーバランスによる体の変化

カロリーバランスによる体の変化は、「太る」「痩せる」の細かい定義を省けば、下の図のようになります。

摂取カロリーと消費カロリーのバランスによる体型の変化。

消費カロリーとは基礎代謝や運動などで代謝されるカロリーのことで、摂取カロリーは飲食によって摂取されるカロリーのことです。

ただし、太るというのは体脂肪がつくことを表現するのが一般的なので、上の図は不十分な説明かもしれません。消費カロリーの方が多くても、体脂肪が落ちているとは限らず、筋肉や骨が分解された可能性があり、水分量はカロリーバランス自体には関係ないので、ちょっとややこしいですが、"水分を除く体重が増減する"という表現が1番適切だと思います。

体脂肪を落とせるカロリーバランス

体脂肪を落とすためには基本的に【摂取カロリー<消費カロリー】にしないといけないことは確かです。しかし、消費カロリーが摂取カロリーを大きく上回り過ぎる極端なカロリーバランスでは水分、筋肉が落ちやすく、体脂肪が落ちにくいので、結果痩せずに、ただ太りやすい体質になり、リバウンドの原因になるだけです。

よって、ぎりぎり「摂取カロリー<消費カロリー」になるように調節するのが、唯一の脂肪を落とすカロリーバランスといえます。他に気をつけた方が良いことを紹介していきますが、このカロリーバランスにする事がダイエットでは1番大事なことです。

自分の総消費カロリー(総代謝量)を知ろう

しかし、どうやって「ぎりぎり摂取カロリー<消費カロリー」を実現すればいいのか?

摂取カロリーに関しては、自分で全て調整できます。しかし、自分の消費カロリーがわからないと、摂取カロリーをどれくらいに調整すれば、「ぎりぎり摂取カロリー<消費カロリー」になるのかわかりません。

食事管理を長期的に続けていれば体重の変化などで大体つかめますが、いきなり消費カロリーを正確に把握するのは難しいです。とりあえずは、自分の消費カロリーの目安を知り、それに合わせた摂取カロリーをとるようにします。そこから徐々に調整しましょう。

除脂肪体重から基礎代謝量を予測する

まず、基礎代謝量を知るために自分の除脂肪体重を把握してください。除脂肪体重とは、名前のとおり体脂肪抜きの体重ですね。最初の目安ですから見た目で大体を判断すればOKです。

体脂肪率は、男性は15~20%、女性は20~25%くらいが適性体型、つまり普通体型です。女性の場合、普通より明らかに太ってるなーという場合は30%、いやいやもっと太ってるという場合35%、40%と体脂肪率を増やしていきましょう。男性の場合は、腹筋に力を入れれば薄っすら割れるというくらいなら20%くらい、腹筋が完全に埋もれてるという場合は30%くらいという感じで大雑把で良いです。内臓脂肪もお腹の出具合などである程度わかります。そして、その残りの割合が除脂肪体重になります。100%のうち体脂肪率が20%なら、残りの除脂肪体重が80%です。

体脂肪計について

体脂肪計を参考にするのも良いですが、現在普及している電流を流すタイプの体脂肪計は、運動不足がちな現代に多い「体脂肪率の割りに体重が軽い人」の場合、実際より数値が低く出がちです。条件によってもかなりのバラつきが出るので注意しましょう。

【参考ページ】体脂肪計の使用法

大体の除脂肪体重がわかったら、それを20倍してください。それが基礎代謝量の目安です。これ以下になると脂肪が全く落ちずに筋肉などばかりが分解されちゃうという基準です。生命の維持に必要な基礎代謝量を下回るような食事管理は、非常に不健康で危険です。

基礎代謝量の計算例

体脂肪率が30%で体重が65kgの人の場合、除脂肪体重は70%なので、65×0.7=45.5kgです。45.5×20=910で、基礎代謝量は大体910kcalくらいということになります。

基礎代謝量の求め方。

基礎代謝量から総消費カロリーを予測する

体質や生活内容による個人差はありますが、基礎代謝は総消費カロリーの約70%といわれています。さきほどの例の続きで計算してみましょう。基礎代謝量の割合の目安が70%なので、基礎代謝量を0.7で割ると100%、つまり総消費カロリー(総代謝量)の数値が出ます。

910kcal(基礎代謝量)÷0.7(基礎代謝量の割合)→1300kcal(総消費カロリー)

これで、消費カロリーがわかったので、効率よく痩せるカロリーバランスである「ぎりぎり摂取カロリー<消費カロリー」がめでたく実現可能となりました。

基礎代謝量計算ツールを使えば、自動で基礎代謝量を計算してくれます。このページで紹介した、除脂肪体重を利用した方法の計算ツールもあります。
また、目標体重の摂取カロリー計算ツールでは、目標体重での摂取カロリーの目安を計算することができます。

カロリーコントロールを実践

摂取カロリーを調節する

摂取カロリーは全て飲食によるものなので、全てチェックし、合計すればかなり正確な数値が出せます。まずは、先ほどの方法で算出した総消費カロリーかやや少ないくらいの摂取カロリーに調節して食事をとって、体重の低下が速過ぎる場合は目安より摂取カロリーを増やし、体重が連日増えたりする場合は目安より少し減らすというように調節していき、計算した数値の誤差や、体質の変化に対応させます。

理想の体型でカロリーバランスをキープする

カロリーコントロールに関しては、これくらいの体型でいいかなと思ったところで、ずっとその摂取カロリーをキープするだけです。逆にいえば、キープできないほど極端に少ないなカロリー制限では、いずれリバウンドするので意味がありません。

体重を量るタイミング(条件)を統一しよう

カロリーコントロールは体重の増減をみて調整しますが、体重は1日でも運動前後、食事前後、朝昼晩などでかなり変動するので計測するタイミングを統一する必要があります。

1番良いタイミングは、朝起きて1回トイレにいった直後です。前の食事、水分を摂ってから時間が1番長く経っており、排尿によって調節されたタイミングなので、毎日かなり近い条件で計測できます。それでも多少、水分量の差が出るので、1日だけの体重で判断するより、1週間くらいの体重の平均値を参考にするのが良いでしょう。

例えば、二週間前から1週間前までと、1週間前から今日までの体重の平均値をそれぞれ計算し、比較することによって体重の増減を把握し、摂取カロリーの調整するというような感じで行ってください。

摂取カロリーを計算する習慣をつけよう

カロリーコントロールで非常に手間なのが摂取カロリーの計算です。少し控えめに食べると意識するだけでも丁度良い摂取カロリーになる人もいると思いますが、やはり、感覚だけでは多過ぎたり少な過ぎたりしてしまう場合の方が多いです。

ダイエットを始めたことによる空腹感の変化

ダイエットをしているという意識だけでもお腹の減りの感じ方は変わってきますし、ダイエットの為にと運動をすればその分、普段よりお腹が減るようになり、感覚に任せてたら、運動で消費した以上のカロリーを余計に摂取してしまうかもしれません。

カロリーコントロールでダイエットを成功させる

逆に、カロリーコントロールができるようになれば、ダイエットは8~9割成功したようなもんです。摂取カロリーの調整をゲーム感覚で楽しんでください。カロリーブックやパッケージに載ってる成分表でほとんど計算できます。ある程度続けていれば感覚でコントロールできるようにもなります。また、栄養バランスの調整に役立つので大体の栄養成分も覚えておくと良いです。

メモをとって自分だけのカロリー表を作ろう

携帯電話やスケジュール帳などに、自分が良く食べるものとその量のカロリーを一通りメモしておき、それを参考に食べるなど工夫しましょう。そして、その日に食べたものをメモしておいて最後にまとめて計算し、カロリーが高過ぎれば次の日から減らし、低すぎれば増やすという習慣をつけると良いです。普段からメモをとり、カロリーを計算することによって、常にダイエットを意識することが出来、食事管理が自分の中で、食後の歯磨きなどのように「ちょっと面倒だけど当たり前の行為」になってきます。

このページのまとめ

  • 効率よく体脂肪を落とすために、ぎりぎり「摂取カロリー<消費カロリー」になるように調節する。
  • 体重は同一条件で変化を確認するために、計測するタイミングを揃える。
  • 食べ物のカロリーをチェックし、摂取カロリーを計算する習慣を身に付ける。