チーティング

チーティングとは、簡単にいうと“ズル”とか“反則”という意味です。

筋トレでいうと、ストリクト(丁寧な)フォームの対義語がチーティングフォームになります。

反動を使わず、負荷がターゲットの筋肉から抜けないように、集中するようにストリクトにやるのが本来は筋トレの基本です。

しかし、チーティングはこの反対で、あえて反動を使った筋トレを行います。

チーティングの注意点

チーティングは筋トレ初心者には向かないテクニックです。

チーティングは、反動を使うことにより、ストリクトな筋トレでは、上げられないような大きな負荷を使います。

なので、基礎的な筋力がない人や、自分の筋力を把握し切れていない人では、怪我をしてしまう恐れがあります。

また、フォームが完成していなく、効かせるという事を無意識に出来ないうちは、反動を使ってしまうと、ターゲット以外の筋肉に負荷が分散し過ぎて筋トレの効果が薄くなってしまいます。

筋トレの上級者であっても、新しく取り入れた種目のフォームに関しては同じことが言えるでしょう。

ウェイトを降ろす時に脱力してしまうと怪我の恐れがあるばかりか、筋肉を追い込むことができなくなってしまい、効果が期待できません。上げる時に反動を使って素早く上げても、降ろす時は少しゆっくり降ろしましょう。

チーティングの使用方法

むやみに重量を扱って見栄を張るためではなく、目的をもってチーティングをとりいれましょう。

最後の追い込み

比較的初心者でも、取り入れても良いといえる使用目的です。ストリクトに行って、全く挙がらなくなったところで、反動を使って追い込みます。

スティッキングポイントの通過

筋トレの種目には、動作の途中でスティッキングポイントという最も負荷が強くて“きつくなるポイント”があります。

完全にストリクトで行っても、スティッキングポイントを余裕をもって通過できる負荷では、スティッキングポイント以外では負荷が足りないともいえます。

スティッキングポイント以外でも負荷が十分にかかるような負荷を扱い、スティッキングポイントを通過するためにチーティングを用います。

ただし、チーティングを使いつつも効かせるということができなければ、余計負荷が弱まるだけなので逆効果です。

高負荷で筋繊維をフルに動員

効かせる部分をコントロールするテクニックを持っていれば、他の筋肉の補助や反動を必要とするくらいの高負荷を扱うことで、ターゲットの筋繊維を通常のストリクトトレーニングよりも多く動員することができます。

ネガティブに十分な負荷をかける

ウェイトを降ろす時(ネガティブ)では挙げる時(ポジティブ)の約1.3倍の負荷が扱えるので、スティッキングポイントの時と同様に、ネガティブでも十分な負荷がかかるようにチーティングで高負荷を扱います。

筋トレの刺激を変える

人がワンパターンな仕事に慣れ過ぎると怠けてしまうのと同じで、筋肉は同じ刺激に慣れ過ぎると、成長が停滞してしまいがちです。

筋トレのやり方にも変化をつけて、刺激を変えることも必要です。

いつもストリクトなトレーニングを行うのではなく、ある程度の“筋トレの技量”を身に付けたらチーティングも取り入れて、定期的に筋トレの質を変えましょう。

筋力アップ

チーティングを用いて高負荷を扱うことで、より神経系を強化し、筋力アップに繋がります。ただし、潜在的な筋力は筋肉の太さに比例するので筋量アップもしなければそのうちに停滞してしまいます。

筋力アップ目的のトレーニングは基本的に筋肥大よりも神経系の強化を目的としたものですが、扱える負荷の停滞は筋肉量の停滞にも繋がります。

負荷が停滞してしまったら筋量アップを目的としてトレーニングをしている人も、ストリクトにこだわり過ぎず、多少チーティングを取り入れて負荷を上げていきましょう。

スポーツのための筋トレとして

ストリクトよりもチーティングの方が、複数の筋肉を総合的に操ったり、反動を上手く利用するといったスポーツでの動きに近い体の使い方をします。

この特徴からするので、チーティングは比較的スポーツに向いた筋トレ法といえます。

ただし、体の操り方は競技練習そのもので練習し、それに対応できる十分な筋量を筋トレでつけることが1番の目的なので、やはり、筋トレの基本はストリクトトレーニングとなります。