スーパーセット法
スーパーセット法とは、拮抗する2種類の筋肉の種目を、続けて行う筋トレ法です。
拮抗する筋肉というのは、簡単にいうと、
『表と裏で対になる筋肉』のことです。
例えば、
『肘を曲げる働きを持つ上腕二頭筋』を主動筋とすると、
『肘を伸ばす働きをする上腕三頭筋』が拮抗筋になります。
ちなみに、スーパーセット法では、
2種目の間にインターバルを基本的には挟まず、2種目あわせて1セットとします。
なぜ、拮抗する筋肉を鍛えると効果が上がるのか?
スーパーセット法は、拮抗する筋肉の種目を組み合わせ、単独で行う通常の手順で組んだ筋トレメニューより、筋トレの効果を上げることができます。
なぜ、拮抗筋を鍛えると効果が上がるのでしょうか?
相反神経支配を利用した回復促進
トレーニング動作中、
“主動筋の裏側にある拮抗筋”はストレッチされ、力が抜けているため普段以上にリラックス状態にあります。
これを相反神経支配といいます。
つまり、ターゲットの筋肉を鍛えたあと、その拮抗筋を鍛えれば、ターゲットの筋肉を通常のトレーニングよりも速く回復させることができます。
この相反神経支配を利用した回復促進が、スーパーセット法の主な狙いです。
回復速度を上げることにより、筋トレの効果を上げるだけでなく、筋トレに必要な時間の短縮にもつながります。
抑制力を弱めて筋力アップ
主動筋の力は、常に拮抗筋に抑えられています。
しかし、スーパーセット法では、拮抗筋が疲労しているため、その抑制力が弱まり、主動筋は通常よりも筋力が発揮しやすくなります。
この作用のおかげで、使用重量、あるいは回数が伸びれば、筋力アップとそれによる筋量アップが期待できますね。
拮抗筋と種目の組み合わせ例
スーパーセット法を使用するときの、拮抗筋と種目の組み合わせ例を紹介します。
大胸筋+広背筋 :
ダンベルベンチプレス+ワンハンドローイング
上腕三頭筋+上腕二頭筋 :
ダンベルトライセップスエクステンション+ダンベルカール
脊柱起立筋+腹直筋 :
バーベルデッドリフト+ウェイテッドクランチ
大腿四頭筋+ハムストリングス :
ダンベルスクワット+チューブレッグカール
大きな筋肉のスーパーセット法をやる人は少ない
スーパーセット法の例を4つ紹介しましたが、実際には2番目の腕の例以外はあまり、実践している人は多くありません。
考えられる原因としては、
「大きな筋肉の種目では、十分なインターバルなしで続けて二つの種目をこなすのは、体力面からいって難しいから」
ではないかと思います。
上では、主動筋を鍛えている間、拮抗筋がリラックスして回復が速まるという説明をしました。
しかし、筋肉が回復しても、体力的にきつく、息が上がった状態では、十分に筋肉を追い込むことはできませんね。
体力的にはハードトレーニングかもしれませんが、持久力の向上を目的とした筋トレをするためのセット法ではないので、
スーパーセット法の利点を活かしたトレーニングとは言えません。
一方、腕の種目であれば、疲労するのは、ほとんどターゲットの筋肉のみです。
体力に余裕をもって行えるため、腕のスーパーセット法は、理論通りの効果が得られる可能性が高いです。
ただ、大筋群のスーパーセット法をこなせれば、成長ホルモンの分泌の促進など、大きな筋トレ効果が期待できるでしょう。
そのために、組み合わせた種目の間に少しインターバルを挟むと良いかもしれませんね。
スーパーセット法では、同時に複数の筋トレ器具が必要という難点はありますが、組み合わせる種目を工夫して、実践してみてください。