ドロップセット法

ドロップセット法とは、重量を下げながら1セットで限界まで追い込み、筋肥大効果を狙うハードな筋トレ法です。

ドロップセット法を使って、1セットで限界まで追い込もう!

ドロップセット法はなぜ筋肥大に効果的なのか?

筋肉が大きく発達することを筋肥大といいます。

筋トレでこの筋肥大を起こすためには、筋肉を限界まで追い込むことが効果的とされています。

筋トレで筋肉を追い込む→筋肥大

筋肥大のしくみをもう少し詳しく説明しましょう。

十分な負荷を扱い筋力を発揮することにより、筋肉内の血流が制限され、その状態で回数をこなすと、筋肉内の血液に乳酸がたまっていきます。

この筋肉にたまった乳酸が、成長ホルモンなどの筋肉を発達させるホルモンの分泌を促進します。

筋肥大のためには負荷と回数をバランスよく両立させたいので、
「10回くらいが限界の負荷に設定し、限界の10回まで行う。」
というのが通常の筋トレのやり方です。

しかし、これで本当に限界まで追い込んだといえるのでしょうか?

重量を少し落とせば、インターバルを挟まなくとも、更に追い込むことができますね。

ドロップセット法では、実際に、インターバルをとらずに重量を落すことによって動作を続けます。

少しくらい重量を落としても、筋肉が疲労した状態では、それが“10回が限界”以上の負荷になり、やはり、血流は制限されたままで、回数をこなせばこなすほど、乳酸がたまり続けます。

このようにして、ドロップセット法は乳酸を大量生産し、通常の筋トレの1セットよりも筋肥大の効果を多めに得ることができます。

ドロップセット法のやり方

ドロップセット法のやり方を説明します。

ドロップセット法では、筋力アップより、筋量アップ(筋肥大)を目的としているので、あまり大きな負荷は使いません。(軽すぎても駄目)

  1. アップセットを終えたら、まず、負荷を10RM(10回が限界の負荷)にセッティングします。
  2. この重量で、限界の10回までやる。
  3. 素早くウェイトを80%~70%くらいまで下げる。
  4. そして、また、限界まで反復。
  5. 3~4を2回くらい繰り返す。

ドロップセット法では、この1~5までの全ての工程で1セットとします。

ドロップセット法のやり方(イメージ)

もちろん、セットを終えて、次のセットを行うまではインターバルをとります。

ただし、セット内では、インターバルは限りなく0に近づけたいので、できるだけ素早くウェイトの調整を行ってください。

重量変更を迅速に行うためには、あらかじめどれだけ減らすのか決めておくのが良いでしょう。

ドロップセット法で時短筋トレ!

ドロップセット法は、筋肉を限界まで追い込み、成長ホルモンやテストステロンなど、筋肉を発達させるホルモンの分泌にも有効ですが、
短時間で追い込むことができるので筋トレに必要な時間の短縮にも繋がります。

「トレーニングに時間をかけたくない。でも筋トレの効果は欲しい。」→そんな人にも、ドロップセット法

ドロップセット法の短所

これまでドロップセット法の長所とやり方について説明てきましたが、ドロップセット法には短所もあります。

環境によっては難しいテクニック

ドロップセット法は、これまでに紹介したスーパーセット法コンパウンドセット法に比べると、一般的な筋トレ法のようにも思えます。

しかし、残念ながら、自宅の筋トレ環境ではかなり実践しづらいという面もあるので、遅れての紹介となりました。

ジムであれば、ウェイトスタックのマシンを使う、複数組のダンベルを用意する、あるいはパートナーに手伝ってもらうなどして、スムーズに使用重量を落とせますが、
一般的に、プレートの着脱で重量調節するタイプのダンベル一組で行う自宅の筋トレでは難しいです。

筋力アップしにくい

1セットで追い込む系の筋トレ法全般にいえることですが、パンプアップはするものの、やはり後半、使用重量がかなり下がるため、筋力アップはしづらくなります。

筋肥大のためには、筋力アップも少しずつ上がることが必要なので、毎回ドロップセット法を利用していると、頭打ちになりがちです。

  • 刺激を変えたい時にドロップセット法を一定期間行う。
  • 最後のセットだけドロップセット法で追い込む。
  • ドロップセット法で筋肥大を狙う期間と、筋力アップを重視する期間に分ける。

など工夫して筋トレメニューに取り入れましょう。

初心者向きではない

フォームがまだ固まっていない筋トレ初心者が、ドロップセット法を実践すると、後半の体力が消耗した状態で、かなりフォームが崩れてしまい、トレーニング効果の半減や、怪我、事故などに繋がります。

筋トレを始めたばかりの人は、何ヶ月かトレーニングを続けてから、ドロップセット法を取り入れましょう。
中、上級者が慣れない種目を行う場合も同様です。