筋トレグリップ講座3 グリップの幅

“筋トレで使うグリップの幅”とは、バーを持つときの両手の距離幅のことです。

同一の筋トレ種目でも、グリップの幅の違いによって、大きく負荷のかかる筋肉や扱える負荷が変わったりします。

ベンチプレスやチンニングなどの代表的な体幹を鍛える筋トレ種目は、グリップの幅によって腕力の参加率が変化します。

グリップの幅は、大きくわけて、

  • ワイドグリップ
  • ミドルグリップ
  • ナローグリップ

の三つの手幅があります。

ワイドグリップ

明確な定義はないようですが、肩幅、あるいは腕を自然に垂らした状態での手幅以上広ければワイドグリップと考えれば良いでしょう。

ワイドグリップを使う代表的な体幹の種目の画像(ベンチプレス、ベントオーバーローイング、チンニング・懸垂)

手幅を広げると上腕の筋力の参加率が下がり、その分、体幹の胸や背中などの筋肉の参加率が上がます。

胸や広背筋の筋力をメインに、腕の筋力を補助的に使うことによって、

  • 負荷を胸や背中などターゲットの筋肉に集中させる。
  • 高負荷を扱う。
  • 広い稼働域で鍛える。

など、体幹の筋肉を発達させる筋トレの条件をバランス良く満たすことができます。
そのため、体幹の多くの筋トレ種目では、ややワイドなグリップが基本となります。

ミドルグリップ(スタンダードグリップ)

肩幅、もしくは肩幅から拳一つ分くらいのグリップ幅をミドルグリップ(スタンダードグリップ)といいます。

ベンチプレスやベントオーバーローイングなどの「体幹の多関節種目の中で、肘を使う種目」では、ミドルグリップを用いる場合、体幹と腕をバランスよく鍛えられます。

ミドルグリップでのバーベルカールでは上腕二頭筋の長頭と短頭をバランスよく鍛えることができます。

ミドルグリップを使う代表的な体幹の種目の画像(バーベルアームカール、デッドリフト)

ナローグリップ

ナローグリップは、肩幅以下の手幅でバーを持ちます。

上腕の筋力の参加率が上がるため、ベンチプレスやチンニング(懸垂)などの、本来は体幹を鍛える多関節種目で、
あえて腕をターゲットにして鍛える時にナローグリップがよく使われます。

多関節種目では高負荷が扱えるため、腕をピンポイントで鍛える筋トレ種目以上に、強力に腕を刺激することができます。

胸の種目はワイドの方が高負荷が扱えますが、広背筋を鍛えるチンニングなどはナローの方が高負荷が扱えたりします。

ナローグリップの中でも、特に狭い手幅をクローズグリップと呼びます。

ナローグリップを使う代表的な種目

グリップの幅の相対的な定義について

それぞれのグリップの幅について、大まかに定義していきました。

しかし、必ずしもこの通りではありません。

特定の種目で基本となるグリップが、
ナローグリップの範囲内であっても、
それがその種目のミドルグリップ(スタンダードグリップ)とする場合もあります。

この場合、その種目における「通常のグリップ」より更に狭いグリップで握った場合をナローグリップ、また、広い場合をワイドグリップと表現します。

ダンベル種目の手幅は変化する

これまでのグリップの説明は主にバーベルを使う筋トレの場合に関するものでした。

なぜなら、バーベルを使う筋トレの場合は一度持ったら、そこで手幅が固定されるからです。

一方、ダンベルを使う筋トレの場合は、扱える負荷こそバーベルに劣るものの、
人間の関節の動きに合わせた、より自然な軌道で鍛えることができます。
もちろん意識的に手幅を維持することもできます。

手幅を変えて、自由な軌道でトレーニング

ただし、両手で一つのダンベルを持つ場合は、
バーベルの筋トレ種目でいう“クローズグリップ”のようなかなり狭い手幅になります。

しかし、持ち方が変わるので、バーベルのクローズグリップとはまた少し違った刺激がえられます。

ダンベルツーハンズフレンチプレス:よりピンポイントで上腕三頭筋を刺激しやすくなります。