筋トレメニューとプログラム
筋トレメニューやプログラムとは、筋トレを行なうスケジュール表のようなものです。
- 筋トレメニュー → 日ごとのスケジュール
- プログラム → スケジュール全体
という感じですね。
一般的に、筋トレメニューを「筋トレの種目一覧」という解釈の人も多いので、当サイトでもそう表現していますが、ここでは「筋トレメニュー=その日にこなす筋トレのスケジュール」とします。
筋トレメニューとプログラムはなぜ組んだ方が良いのか?
無理なく効率的な筋トレをするためには分割法を取り入れる必要があるということは、前のページ(筋肉の成長に必要な超回復と分割法)でよくわかって頂けのではないでしょうか?
この分割法を実行するにはプログラムを組んでおく必要があります。
筋トレを行う上で様々なことを考慮する必要がありますが、筋トレの度に、それらを考慮した上で筋肉をどんな種目で何セット鍛えるか考えながらやっていては、
筋トレを続けることが面倒に感じてしまいますし、無駄が多く、頑張っている割に、筋トレの効果を享受できません。
しかし、一度「筋トレメニュープログラム」を組んでしまえば、
迷いのないスムーズな筋トレが実践できます。
また、一定の条件が周期的に繰り返されることになるので、自分の成長が測りやすいです。
体の変化でも、数字の伸びでも、自分の成長を実感することにより筋トレをするモチベーションが非常に上がります。
筋トレメニューとプログラムを組む時の注意点
筋トレメニューとプログラムを強行しない
筋トレメニュー、プログラムを作ったからといって、無理にこなす必要はありません。
特に、プログラムを初めて作った場合、まだ自分の体質、回復速度などと合っているかも実践してみるまではわかりません。
また、
- その日の筋トレメニューをこなすのにかかる時間
- 体のコンディション
- 筋肉痛などからの回復速度
- 筋トレを実行するモチベーション
などは、日ごとに変わるので、無理にその日の筋トレメニューを強行すると、逆効果になることもあります。
そういう時は、
- 思い切って筋トレを休む。
- その日だけ筋トレメニューの内容を軽くする。
などの選択肢もあります。
臨機応変な対応が必要ですが、プログラムを組むことにより、その日の筋トレメニューが決まっていれば、少しの変更で済むので、やはり、迷いの少ないスムーズな筋トレが実現できます。
あまりに変更が多い場合は、日々の筋トレメニューとプログラム全体を調整しなおす必要があります。
曜日で筋トレメニューを固定しない方が無難
多くの人は仕事や学校、習い事などで、休日や空いた時間が決まっており、筋トレができる曜日というのは大体決まっていると思います。
なので、プログラムは時間割表のように、本当は曜日ごとの筋トレメニューを組んだプログラムの方がわかりやすいです。
しかし、月曜の筋トレメニュー、火曜の筋トレメニュー・・・といった具合でなく、筋トレメニューA、B・・・とした方が、私の経験上、無難と感じています。
「曜日で筋トレメニューを固定したプログラム」より、
「曜日を無視して分割したプログラム」の方が、
「筋トレが予定通りできなかった日の筋トレメニューを、そのまま次に筋トレができる日にずらす」という臨機応変な対応がしやすくなります。
例えば、月水土しか筋トレができない人が、A→B→Cという3分割のプログラムを組むと、下の表のようになりますね。
月 | 水 | 土 |
---|---|---|
筋トレメニューA | 筋トレメニューB | 筋トレメニューC |
そして、月曜日に筋トレメニューAを休んだ場合、Aを飛ばして水曜にBをやるのではなく、水曜にA、土曜にB、そして月曜にCというようにずらします。
月 | 水 | 土 |
---|---|---|
筋トレメニューC | 筋トレメニューA | 筋トレメニューB |
このように、筋トレができる曜日は固定されていても、筋トレメニューは曜日で固定されずに、休むごとにフレキシブルにスライドされていきます。
なぜ、筋トレメニューは飛ばすのではなく、ずらした方が無難なのか?
筋トレメニューを飛ばしてしまうと特定の部位の筋肉が鍛えられる頻度が下がってしまいます。
少しくらいなら良いですが、「予定通りに筋トレができない曜日」は、ある程度決まっていることが多いと思います。(例えば、土日休みなので、金曜日は飲み会が多いなど。)
最悪の場合、胸は1ヶ月に10回も鍛えたのに、背中は5回以下、なんてことにもなりかねません。
それに、曜日で筋トレメニューを固定した場合、『1週間は7日』ということを意識してプログラムを組まなくてはならないので、パターンが限られてしまうという問題もあります。
筋トレメニューとプログラムを実際に組んでみよう
日ごとの筋トレメニュー、そしてプログラム全体を組み立てるのは面倒に感じるかもしれませんが、シンプルなものであれば難しくはありません。
筋肉を分割してプログラムの骨組みをつくろう
まず、大きい筋肉(胸、背中、脚など)を中心に分割し、回す順番を決めます。これが、プログラムの骨組みとなります。
A:胸 B:背中 C:脚 (腹筋は適当に)
といった具合です。簡単でしょ?
分割さえすれば、たとえ毎日、筋トレを行っても、部位ごとにみれば何日か休息が取れている事になります。
この例の場合、「A:胸」の日から、次の「A:胸」の日まで、胸の筋肉は二日の休息がありますよね。
なので、扱える負荷や筋肉が小さく、回復の速い初心者のうちは「筋トレを休む日」を挟む必要はほとんどないかもしれません。
今回は、シンプルなものなので、気にしなくて良いですが、細かい部位を鍛える筋トレを入れる場合は、
- 胸の基本種目では、肩や上腕三頭筋もかなり使うということ
- 背中の基本種目では上腕二頭筋もかなり使うということ
を考慮する必要が出てきます。
また、筋肉ごとの回復時間の違いも考慮しましょう。筋肉のサイズなどによって時間差があります。
この時点ではまだプログラムは完成していません。1日ごとの筋トレメニューまで決めたらプログラム完成です。
筋トレメニューの組み方
筋トレメニューの組み方は筋トレの手順のページの「大きい筋肉から先に鍛える」と「コンパウンド種目とアイソレート種目」をまず参考にしてください。効率的な筋トレメニューを組むにはこれらの知識が必要です。
1日に複数の種目を行う筋トレメニューを組む時は、
- 大きい筋肉(コンパウンド種目→アイソレート種目)
- 小さい筋肉(コンパウンド種目→アイソレート種目)
という順序になるように種目を組み込んでください。
かなり本格的な筋トレメニューの例になりますが、
胸、肩、上腕三頭筋を鍛える日に補助種目も複数行う場合は、
- ダンベルベンチプレス
(大きい筋肉のコンパウンド種目:胸を中心に、肩、三頭) - ダンベルフライ
(大きい筋肉のアイソレート種目:胸のみ) - ダンベルショルダープレス
(中くらいの筋肉のコンパウンド種目:肩、三頭) - サイドレイズ
(中くらいの筋肉のアイソレート種目:肩の側部のみ) - ダンベルフレンチプレス
(小さい筋肉のアイソレート種目:三頭のみ)
というような順序になります。
ただし、初心者の場合や特にこだわりがない場合は、胸、肩、上腕三頭筋に関してはベンチプレスだけでも十分だと思います。
逆に、ベンチプレスのような大きな筋肉を鍛える主要な種目はやらないのに、肩や腕ばかり鍛える筋トレは、成長ホルモンなどの分泌があまり促進されないので、肩や腕にも筋トレの効果が出にくいです。
他の部位についても、大きい筋肉の基本種目のみで組んだ筋トレメニューでも十分な効果が期待できます。
スポーツなどの競技力向上の土台作りや、健康作りの一環を目的とし、ボディビルコンテストなどで必要になる見た目の細かいバランスをあまり気にしなければ、基本種目のみの筋トレをずっと続けてもあまり問題ないかと思います。
目的や競技での必要に応じて少しずつ補助種目を足してください。
スクワットとデッドリフトに気をつけよう
背中と脚の筋トレメニューについて1つ注意点があります。
背中の基本種目の一つであるデッドリフトと、脚の基本種目であるスクワットは鍛えられる部分や効果がかなり近く、どちらも1番回復に時間のかかる脊柱起立筋を強く刺激します。
なので、「デッドリフトが背中、スクワットが脚」ではなく、両種目とも、「脚+脊柱起立筋の種目」として筋トレメニューに組み込みましょう。
スクワットとデッドリフトをプログラム一周ごとに交互に行うか、脊柱起立筋は他の種目でも刺激されることが多いので、最初のうちや面倒な場合はスクワットのみに絞るのもありだと思います。
プログラムの実践例
では実際に、分割した筋肉ごとに、種目を選び、筋トレメニューを組ましょう。そうすればプログラムの完成です。
初心者向けの場合、2分割でも良いかもしれませんが、実際2分割はボリュームがあり過ぎてきついので、3分割の方が無難だと思います。
ということで、今回は3分割のプログラム例を紹介します。
また、自宅で筋トレする場合、ダンベルのみの方が多いと思うのでダンベル種目を紹介していますがバーベルに置き換えても問題ありません。
デッドリフトは基本種目ですが、上でも補足説明したように、スクワットとデッドリフトでは刺激される筋肉が似通っているので、今回のメニューは初心者向けにスクワットのみで組んでいます。
筋トレメニュー名 | ターゲットの筋肉 | 筋トレメニューの内容 |
---|---|---|
A | 大胸筋 三角筋(前部、側部) 上腕三頭筋 |
ダンベルベンチプレス ×メイン3セット |
B | 広背筋 三角筋(後部) 上腕ニ頭筋 |
ワンハンドローイング ×メイン3セット |
C | 大腿四頭筋 |
ダンベルスクワット ×メイン3セット ウェイテッドクランチ ×メイン3セット |
※A→B→C→A→B→Cと繰り返す
全部で4種目しかないので、拍子抜けするほどシンプルかもしれませんが、これも立派なプログラムです。
筋トレ基本講座内の記事なので、今回はここまでに留めておきますが、細かい種目なども入れたパターンは筋トレメニューとプログラム集で紹介しています。
ABCともにメイン3セットずつになっていますが、アップセットを入れれば種目ごとのセット数はもっと多くなります。
アップセットが何かわからない人は、筋トレの手順を参照してください。
また、腹筋は回復が速いのでもう少し頻度を上げても良いかもしれませんが、適切な負荷でしっかり腹筋を追い込めば初心者の方でも3日に一度鍛えれば十分でしょう。
プログラム例の補足
- このプログラム例通りに続け、回復が間に合わないと感じるようになった部位の日は、1日休みを入れていきます。
- 慣れてきたら補助種目を入れたり、腕や肩などの細かい部位の種目も組み込んでいきましょう。
- 筋肉が成長して休日が増えてきたら、肩を鍛える日、腕を鍛える日なども作ります。
このページのまとめ
- 効率的に鍛えるための分割法を取り入れるためにはプログラムを組む必要がある。
- メニューとプログラムは無理に強行する必要はない。
- プログラムはできるだけ曜日でメニューを固定せず臨機応変に実行できるものにする。
- プログラムは大きい筋肉を中心に分割して組み、筋肉による回復速度の違いを考慮する。